3.除外申請手続き

除外手続きは非常に面倒で、認可がおりるまでに長い期間がかかります。早い市町村で半年、長い市町村で1年以上かかります。

というのは、農業振興地域の整備に関する法律で、「30日間の公告・縦覧」「異議申出受付期間15日」とか「異議があった場合60日間以内に決定」とかの規定があるからです。そのため、どうしても日数がかかるのです。

それでは、その手続きを順番通り解説します。

(1)受付

市町村にもよりますが、受付期間は随時行っている市町村はおそらくあまりないと思われます。というのは先述のとおり、公告・縦覧や後述する農協・土地改良区・農業委員会の意見聴取があり、個別にやるには手間が非常に多いため一定の受付期間を設けて一斉に処理する方が効率的だからです。

では実際にはどうかというと、年に1回または2回しか受け付けていない市町村がほとんどです。受付期間は何月の一ヶ月間というところが多いようです。例えば4月の一ヶ月間のみ、または4月と10月のそれぞれ一ヶ月間のみ受付などです。

(2)認可までの流れ

@受付期間において受付された除外申出案件を、市町村農政課担当者が除外要件に適合するかどうかを確認します。この時に書類の不備や記載漏れなどもあわせて行われます。

A次に、関係機関への意見聴取を行います。農協・土地改良区(農振法施行令第3条第1項)・農業委員会(農振法施行規則第3条第1項)などです。その他に、市町村によっては建物を建てる場合は開発課や建築課などにも意見聴取を行います。

B各関係機関から出された意見を総合して申請者に指摘します。これは部分的な計画変更要求(例えば住宅の排水放流先の変更)であったり、不認可相当の意見が出る場合もあります。

C申請者から指摘事項の補正が提出されたら、農振計画変更案を作成して都道府県と事前協議を行います。その協議によって都道府県から指摘事項があれば、それを申請者に伝えて補正書類などを提出してもらいます。提出してもらったらそれを都道府県に提出します。

D都道府県から事前協議の回答があります。その回答書には案件ごとに認可相当であれば「やむを得ない」などと書かれています。

E回答書が来たら農業振興地域整備計画変更案の公告・縦覧を30日間行います。見に来る人は普通はいません。

F異議申出期間15日間を設けます。異議申出する人も普通はいません。

G異議がなければ、都道府県に農業振興地域整備計画の変更協議を行い、都道府県は農業振興地域整備計画の変更同意を回答します。

異議が出た場合は、市町村は縦覧期間満了後60日以内に決定しなければなりません。

さらに、その決定に不服がある場合は、その決定があった日の翌日から30日以内に都道府県に対し審査を申し立てることができます。都道府県は受理した日から60日以内に裁決しなければなりません。このように異議や不服の申出が一件でもあると、裁決が終了するまですべてが次の公告・縦覧へと進むことができません。

H市町村は農業振興地域整備計画変更を公告・縦覧します。

I市町村は除外申出書を出した申請者に除外認可通知をして終了します。



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