6.農地売買・貸借(農地法第3条)の留意点

最初に市街化区域にある農地の場合は、以下のことがまったく該当しないことを先に申し述べておきます。

市街化区域は厳密に言うと、市街化区域の例外規定が書かれていないので、農地法3条に該当すると思いますが、市街化区域での農地法3条は、私は経験がありません。

というのは、市街化区域にある農地は、簡単な届出で農地転用が済みますので、農地転用届出として出されて売買されているのかもしれません。ですから、普通に不動産屋さんで売買を依頼してください。詳しくは「市街化区域の農地転用手続き」のページをご覧ください。

農地法第3条は、農地を農地のままで権利移転するわけで、農地が第三者に渡って不耕作になったり転用されたりすることを防止する意味合いが強いのです。

そのため譲受人は農家であるのは当然として、農家でも人に耕作を頼んでいたり、投資目的が疑われたりする場合は許可になりません。地元の農地を買う場合は、農業委員さんに普段から農作業を従事していることをアピールしましょう。また、農業委員会を通して農地を貸している場合は、あらかじめ農地の貸しを解約しておきましょう。

地元以外の農地を買う場合は、とにかく添付書類がすべてです。農地法に精通した代理人さんはあの手この手を使ってアピールし、いかにスムーズに許可を勝ち取るかを工夫しています。

許可の判断」で示した事項を留意した書類の作成や、意欲的に農業をやっている写真をつけたり、将来の展望などを文書にまとめたり、その手法はさまざまです。

これら添付書類は、譲受人のことを何も知りえない許可権者にとって、判断をくだす際に優位な方向に導く効果があります。すべては書類がものをいうのです。

とにかく、農地を農地のまま売買する場合は、最低でも相手が農家または農業生産法人でなくてはなりません。農地での売買は土地の値段が非常に安く、値段があってないようなものです。売り急ぎすると安値でたたかれます。

私が経験した最安値は、2反(約2,000u)で100万円というのがありました。ですので、農地を売買する場合は、相手から「買いたい」と申し出があるのを待った方が多少値段を吊り上げできます。

待てない場合は自ら農地転用して雑種地にして売りましょう。雑種地では農地よりは格段に評価も高く、需要もはるかに高く売買しやすいです。詳しくは農地転用のページをご覧ください。

また、農地を売ると所得税、住民税、印紙税、登録免許税が発生しますので、売った後に納付書が来て「ビックリ」しないように留意してください。



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