はじめに

私は以前、農業委員会事務局職員として農地転用や農地売買申請を処理したり、農地売買のあっせんをしたりする仕事をしていました。

私はもともと農家生まれではないですし、農業のことはまったくわかりませんでした。しかし、農業委員会事務局職員として農家の方とたくさんお付き合いし、また、開発関係者とも接しました。農家の考え方、開発関係者の考え方、両者の立場を肌で感じました。

農家の現状は、昔ながらの市場出しや農協供出というやり方では、量をこなしてやっと生活できる程度です。そうかといって農地を売ろうにも売れないし、仮に売れたとしても二束三文程度です。

多くの農家の方が、自分の農地が公共事業にうまく引っ掛かってくれればとか、誰かが自分の農地を転用目的で高く買ってくれることを望んでいるのです。これら「農家の気持ち」をひしひしと感じ取りました。

農地は、農業をやらない農家または相続人にとっては「邪魔」そのものです。田んぼであれば、専業農家に貸してわずかな金銭(反あたり年間1万円強)か玄米を小作料としてもらえますが、相手が見つからなかったり借り手が見つかりにくい畑だったりすると、農業委員会や環境課などから草刈りなどの管理指導があります。だから、農業をやらない農地所有者にとっては、農地転用または農地売買したいのです。

私はこの「悲鳴」を何度も農家から聞きました。できれば役に立ちたい!でも職務上それはできない!葛藤です。

そこで職を離れた今、この「悲鳴」に対し救いというのは大げさですが、農地転用や農地売買の役に立てるよう農地法に則って、実務経験を紹介し、農地を有効活用していただけるようこのHPを立ち上げました。

農地転用や農地売買を検討している農家の方、または農地転用や農地売買手続きが苦手な不動産業の方や行政書士の方など、あらゆる方が農地売買や農地転用がスムーズにできるように参考にしていただければ、このHPを作った目的が果たせます。

くれぐれも強調しておきますが、このHPは諸法令を遵守した農地売買手続きであり、農地転用手続きであります。また、ここに掲載した内容は私の経験をそのまま書いていますので、私の勘違いや間違った記憶などがある可能性もあります。

このHPによって読者が損害を受けたとしても、当方では一切責任を負いませんのであらかじめご了承下さい。あくまで自己責任で農地売買や農地転用を行ってください。



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